「食物アレルギー用のキャットフードってどれを選んだらいいんだろう…」と悩む人も少なくないでしょう。
食物アレルギー用に作られているキャットフードは数多くあるため、見つけるのには苦労しません。しかし、その中から低品質なキャットフード を選んでしまうと、アレルギーの原因になる物質が含まれていて、アレルギーが悪化したり、別の病気にかかったりする恐れがあります。
とはいえ、多くの人が
「どういった基準で選んだらいいの?」
「おすすめのアレルギー用キャットフードは?」
といった疑問を持つでしょう。
そこで今回は、食物アレルギー用のキャットフードの選び方やおすすめのフード3つを紹介します!
具体的には、
- 食物アレルギー用のキャットフードを買う前にすること
- 食物アレルギーの原因を特定するには
- アレルギーの症状と対策
- キャットフードの選び方
- おすすめのキャットフード3選
という順番で説明していきますね!
目次
食物アレルギー用のキャットフードを買う前にすること
食物アレルギー用のキャットフードを購入する前に大切なことは、アレルギーの原因をある程度特定することです。例えば、肉類や魚類、穀物などといった感じ!
アレルギーの原因がわからないと、どのキャットフードを選べばいいのか判断できないからです。
食物アレルギーは、キャットフードに含まれる一部の成分が、猫の体内にある免疫細胞に異物と認識され、それを退治しようと攻撃することで起こる炎症だと言われています。
猫によって異物と認識される成分は異なるため、一概にどれがアレルギーの原因になっている物質なのかはわかりません。
しかし、食物アレルギーの主な原因はタンパク質と言われているので、どのタンパク質がアレルゲン(アレルギーの原因になっている物質のこと)の原因になっているのかを特定することが大切なのです。
食物アレルギーの原因を特定するには
食物アレルギーの原因は食べ物なので、基本的には原因となっている食べ物を与えなければ症状は出ません。
アレルゲンの特定には2つの方法があります。
除去食検査
アレルゲンの特定によく使われる方法が「除去食検査」。
除去食検査とは、アレルゲンの原因を取り除いたキャットフードを与える方法です。
やり方は、猫がこれまでに摂取したことがないたんぱく質(魚または鶏肉など)、あるいは通常のキャットフードには含まれていないタンパク質(シカ肉やカモなど)を混ぜた除去食(タンパク質を限定したフード)を8週間以上与えてアレルギー反応がでないことを確認します。
アレルギー反応がでなければ、除去食にプラスして1種類のタンパク質を加え、2週間程度様子を見ます。アレルギーの反応がでなければそのタンパク質はアレルゲンではないことがわかりますし、アレルギー反応がでたら加えたタンパク質がアレルゲンと特定できるという仕組みです。
わかりやすく例をだすと、除去食に牛肉を加えてアレルギー反応が出たら、牛肉がアレルゲンということ!
この手順をすべてのタンパク質で繰り返し行います。そうすることで、アレルギーの原因となっているタンパク質をすべて調べることが可能です。
ただし、除去食検査は猫に複数回アレルゲンの食べ物を与えるため、素人が行うと最悪の場合悪化する原因にもなります。除去食検査をする場合は、必ず獣医さんの指導のもと行うようにしましょう!
血液検査
もう一つの方法が「血液検査」です。
猫の血液からアレルギーを特定する方法で、30種類から100種類ほどのアレルゲン検査ができます。
除去食に比べて、猫の体に負担がかからず、検査結果が出るのも早い(1週間から10日ほど)のでおすすめです。
また、食物アレルギー以外にもダニやノミ、カビといったアレルギーも一緒に調べることができます。
費用は検査項目数によって変わりますが、最低でも2万円ほどはかかります。血液検査は動物病院で受けられるので、興味がある人はかかりつけの動物病院で相談してみてください!
アレルギーの症状と対策
食物アレルギーが発症すると、下記のような症状が見られます。
- 皮膚炎
- 嘔吐
- 下痢
- 発熱
気をつけたいのが、軽度のアレルギーでもアレルゲンの食物を与え続けると悪化するということ。
アレルギーは一生治らないと言われているので、しっかり食事管理(アレルゲンを含まないキャットフード選び)をすることが唯一の対策方法なのです。
食物アレルギー用のキャットフードの選び方
加水分解されたタンパク質を使用している
タンパク質が、加水分解されたキャットフードはおすすめです!
加水分解とは、タンパク質の分子を小さく分解することです。小さく分解すると免疫細胞に異物と認識されず、アレルギー症状がでにくくなります。
最近では、最初からある程度、加水分解・消化されたタンパク質を使用した、アレルギーになりにくいキャットフードも増えてきています。例えば、パッケージに「加水分解チキン」と記載されていれば、タンパク質(チキン)を小さく分解した、アレルギーに優しいキャットフードです。
米が主要原料として使用されている
主要原料に「米」と記載されているキャットフードもおすすめです。
米は穀物の中でもアレルギーになりにくい食物なので、どのタンパク質がアレルゲンとなっているのか特定できていない猫にはぴったり!
最近では療法食にも利用されているので、安心の食物でもあります。
グレインフリー&無添加のフード
穀物にアレルギー反応がでる猫なら、穀物不使用のグレインフリーがおすすめ!
猫にとって一番大切な栄養素は動物性タンパク質です。小麦やトウモロコシといった穀物類は上手に消化できないため、体に負担がかかります。穀物アレルギーの猫ともなればさらに大きな負担となるので、なおさらグレインフリーのフードを選んだ方が良いでしょう。
また添加物もアレルギーの原因にもなります。猫にとっては必要ないものなので、できるだけ無添加のフードを選ぶ、もしくは天然由来の添加物であれば体への負担はないので問題ありません!
食物アレルギーにおすすめのキャットフード3選
アレルギーの原因であるたんぱく質が特定できていない猫におすすめのキャットフードは、アレルギーになりにくい加水分解されたキャットフードです。また、穀物にアレルギー反応を示している猫には、グレインフリーのキャットフードがおすすめです。
療法食については、必ず獣医さんと相談してから与えるようにしてください!
【療法食】ロイヤルカナン 低分子プロテイン
特徴
- 加水分解大豆タンパク質を使用しているため食物アレルギーになりにくい
- 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく配合
価格 | 4,063円/2kg(税込) |
原産国 | フランス |
主要原料 | 米 |
成分 | タンパク質:24.9%以上 脂質:19.5%以上 粗繊維:8.0%以下 灰分:6.1%以下 水分:5.4%以下 カロリー:410kcal(100gあたり) |
【療法食】ヒルズのプリスクリプション・ダイエット 食物アレルギー&皮膚ケア
特徴
- 食物アレルギーになりにくい米を使用
- 脂肪酸を配合することで皮膚の健康をサポート
価格 | 4,048円/2kg(税込) |
原産国 | チェコ |
主要原料 | 米 |
成分 | タンパク質:28.0%以上 脂質:12.5%以上 粗繊維:4.0%以下 灰分:7.5%以下 水分:10.0%以下 カロリー:368kcal(100gあたり) |
カナガン
特徴
- グレインフリーで穀物アレルギーの猫でも安心
- 消化に良い高品質のチキンを使用
価格 | 3,960円/1.5kg(税込) |
原産国 | イギリス |
主要原料 | 乾燥チキン |
成分 | タンパク質:37.0%以上 脂質:20.0%以上 粗繊維:1.5%以下 灰分:8.5%以下 水分:7.0%以下 カロリー:390kcal(100gあたり) |
まとめ
食物アレルギーの原因は様々なので、しっかり猫の体質になったキャットフードを選ぶようにしましょう。
- 加水分解されたタンパク質を使用しているフードを選ぶ
- 米が主要原料として使用されているフードを選ぶ
- グレインフリー&無添加のフードを選ぶ
食物アレルギーの猫に、アレルゲンの食物を与え続けると徐々にアレルギー症状が悪化していきます。そのため、早いうちにアレルゲンを特定して、キャットフードから取り除く必要があるのです。
猫の苦しんでいる姿を見たくないのなら、早めに食物アレルギー用のキャットフードを選んで、獣医さんと相談しながら食事療法を行っていきましょう!