猫がいつもより水を多く飲んでいたら心配になりますよね。
水だからそこまで気にする必要はないのかなと考える人も多いでしょう。
でも、水の飲みすぎは非常に危険なのです!
結論から言うと水を飲みすぎる場合、
- 病気にかかっている
- 餌や環境に何らかの問題がある
の恐れがあります。
そのため、早めに原因を特定して対処しないと命に関わることもあるのです。
今回の記事では、猫が水を飲みすぎる時の原因や対処法、どれくらいの量から飲みすぎになるのかについて、詳しく紹介していきます。
目次
水の飲みすぎは病気のサインの恐れ
確かに水を飲まないよりは、飲む方がいいのですが飲みすぎもよくありません。
なぜなら、猫が水を飲みすぎるのは、病気の初期症状によくあるケースだからです。
一時期的に水を多く飲むのは問題ありません。しかし、頻繁にいつもの倍近く水を飲むようになり、いつもより多くの尿が出る多飲多尿の状態だと、病気の確率が非常に高いのです。
もし、
- いつもより早く水の容器がカラになる
- いつもよりおしっこの回数が多い
などの場合は、早めに獣医さんに相談してみましょう。
病気は早期発見すればするほど、回復の可能性が高くなります。
飼い主さんの早めの対応が、猫を救うことになりますよ!
猫が水をどれくらい飲んだら飲みすぎ?
水は飲みすぎたら危険と言われても、どれくらいから飲みすぎなのか判断しづらいですよね。
猫の年齢や体重によって若干前後しますが、基本的に体重1kgに対して、1日あたりの理想水分量は20ml~50mlです。
なので、1日に60mlを超える水分を摂取していると飲みすぎの恐れがあります。
ただし、60ml未満でも普段飲んでいる水の量と比べて、倍以上に増えているなら要注意です。
また、20ml〜50mlは合計での水分量。キャットフードにも水分は含まれているので、合わせて計算するようにしましょう。
計算方法については、下記の記事で詳しく紹介しています👇
どれくらい水を飲んだら飲みすぎになるのかわかるように、普段から飲む水の量をしっかり記録しておくことが大切です。
そうすることで、水の飲みすぎにすぐ気づくことができるでしょう。
猫が水を飲みすぎる原因
病気以外にも猫が水を飲みすぎる原因はいくつかあります。
たとえば、
- ウェットからドライフードに切り替えた
- 部屋の中が暑い
- キャットフード以外の餌を食べた
- ストレス
などがあげられます。
与えている餌や飼っている環境によっても、水を飲む量が増えることがあります。
病気以外の場合は、これらの原因を改善することで、水分の摂取量が元に戻る可能性があります。
上記の原因にあてはまっていないか、まずは猫の餌や環境を確認してみましょう。
水の飲みすぎで考えられる病気
水の飲みすぎは病気の初期症状の場合が多く、気をつけなければなりません。
とはいえ、どういった病気がどんな症状を起こすのか知らない人がほとんどでしょう。
猫が水を飲みすぎる時、どういった病気が考えられるのかいくつか紹介します。
慢性腎不全
- 多飲多尿
- 食欲がなくなる
- 貧血
- 嘔吐
- 体重の減少
猫がかかりやすい病気の一つ。
高齢の猫がかかりやすいのですが、下部尿路系の病気の影響でかかる場合もあります。
初期段階では、ほとんど症状が見られないため発見しにくく、気づいた時には重症になっていることも…。
病気がひどくなると尿毒症になって死に至ることもあり、完治することがない怖い病気です。
薬の投与や食事療法で、病気の進行を抑える治療がメインになります。
糖尿病
- 多飲多尿
- 多食
- 元気がなくなる
- 脱水症状
- 嘔吐
主に、肥満やストレスが原因でかかる病気。
体内で分泌されるインスリンが異常を起こし、糖分の代謝が正常に機能しなくなります。その結果、高血圧で糖尿病に…。
病気になるとインスリンを毎日投与する、もしくは食事療法で治療を行います。
毎日適度な運動と適切な食事管理で予防することが可能です。
甲状腺機能亢進症
- 多飲多尿
- よく食べるが体重は減っていく
- 異常なくらい活発になる
- 落ち着きがなくなる
- 脱毛
- 嘔吐
- 下痢
「こうじょうせんきのうこうしんしょう」と読みます。
主に成猫後期から高齢猫がかかる病気です。
甲状腺ホルモンの異常で、エネルギーを大量に使ってしまいます。
治療方法には、外科療法と内科療法があり、外科療法は甲状腺を切除、内科療法の場合は薬の投与で治療していきます。
予防法は特にないので、症状が見られたら早めに病院へ行くのが大切です。
子宮蓄膿症
- 多飲多尿
- 脱水症状
- 嘔吐
- 発熱
- 下痢
- 腹膜炎
出産したことがないメスの猫がかかりやすい病気。
子宮内へ細菌が入り、膿がたまる病気です。
子宮蓄膿症になると、手術で卵巣と子宮を摘出するしか方法はありません。
避妊手術をすることで、予防することは可能です。
猫が水を飲みすぎる時の対処法
水の飲みすぎの原因がわかっても、具体的な対処法を知らないと改善しようがないですよね。
ここでは、具体的な対処法を詳しく紹介します。
餌を変えてみる
現在与えているキャットフードが、猫に合っていないのかもしれません。
餌の塩分が高かったり、水分量が少なかったりすると、いつもより多めに水を飲んでしまうことがあります。
なので、一度違うキャットフード、もしくは以前与えていたキャットフードに戻してみましょう。
もし、ウェットフードからドライフードに切り替えたのなら、もう一度ウェットフードに戻してみてください。
ドライフードはウェットフードに比べて水分量が少ないため、いつもより多めに水を飲むことがあるからです。
部屋を涼しい状態にする
部屋の温度も気にするようにしてください。
温度が高いと暑さから喉の乾きが早くなり、水を多く飲むようになります。
そもそも、猫は体内の温度調節が苦手な動物なので、部屋の中の温度調節がとても大切です。適切な温度設定にしていないと、すぐに体調を崩してしまいます。
という疑問を持つ人も多いでしょう。
猫が快適に過ごせる部屋の温度は、だいたい26度~30度と言われています。
人間にすると少し蒸し暑い程度が、猫にとっては快適な温度なのです!
それは太りすぎですね!(笑)
たしかに、体重や年齢、猫の種類によっても好みの温度は微妙に変わってきます。
猫の様子を見ながら温度調節するとよいでしょう。
夏場は部屋の温度が40度を超えることもあるので、クーラーや窓を開ける、カーテンをつけて直射日光を避けるなどの対策をして、猫が快適に過ごせるようにしてあげてください。
キャットフード以外を与えない
飼い主さんがご飯を食べている時、可愛い猫にご飯をおねだりされたら、ついつい人間用のご飯をあげたくなりますよね。
しかし、人間用のご飯は猫にとって、味が濃かったり、辛かったりします。
それが水を飲みすぎる原因にもなるのです。
基本的に猫のご飯は猫用のキャットフードだけを与えてください。
それ以外のご飯を与えてしまうと、肥満や病気になる恐れがあります。
どうしても与えたい場合は、猫用のおやつをあげましょう。
猫用のおやつであれば、猫用に調節されているのでたくさん与えない限りは大丈夫です。
ストレスの原因をなくす
猫は非常に神経質な動物なので、些細なことでもすぐストレスに感じてしまいます。
実はそのストレスが原因となって、水を飲みすぎる場合があるのです。
そのため、ストレスを無くせば水の飲みすぎを改善できる可能性があります。
ではどういった時に、猫はストレスを感じるのでしょうか。
猫は、
- 大きな物音
- 慣れない環境
- 猫同士の相性が悪い
- ケージやトイレが汚い
などの場合にストレスを感じやすくなります。
また、ストレスは水を飲みすぎるだけではなく、吐く原因にもなるのでなるべく早めに改善してあげましょう。
水の設置場所を減らす
喉が渇いていなくても、水を見つけたらとりあえず飲んでしまうのが猫の特徴です。
そのため、本来なら正しい水の複数設置が、逆に飲みすぎの原因になっている恐れがあります。なので、水の設置場所を減らしてみてください。
いったん水飲み場を1箇所のみにして、飲む量が元に戻ればいつもの数に戻してあげるとよいでしょう。
ちなみに、猫はトイレの横で食べ飲みするのを嫌います。
設置場所はなるべくトイレから離して置いてあげてくださいね!
猫が水を飲みすぎる時にやってはいけないこと
そう考える人も多いでしょう。
ですが、飲みすぎだからと、むやみに水の量を減らしてはダメです。
なぜなら、たくさん尿を出しているのに、水分だけ減らすと脱水症状になってしまうからです。
また、水分が不足すると尿結石や膀胱炎といった病気にもかかりやすくなります。
素人判断はせず、必ず専門家のアドバイスをもらうようにしてください。
長い間猫が水を飲みすぎるのなら動物病院へ
- 水を飲まない期間が一時的ではなくしばらく続いている
- 対処法をすべて試したけど効果がない
といった場合は病気の恐れが強いので、なるべく早めに獣医さんに診てもらいましょう。
動物病院へは、いつも飲む水の量と現在(飲みすぎている状態)飲んでいる水の量をメモして持っていくとよいでしょう。
そうすることで、獣医さんの診察をスムーズにすることができます。
猫が水を飲みすぎる原因を特定して、早めに改善してあげましょう
今回紹介したように、水の飲みすぎはキャットフードや環境に関係している可能性があります。
- 餌を変えてみる
- 部屋を涼しい状態にする
- キャットフード以外を与えない
- ストレスの原因をなくす
- 水の設置場所を減らす
ただし、対処法を試しても効果が無く、水を飲む量が多くなったと感じて何日も経っている場合は病気の恐れが強いです。
その場合は、なるべく早めに動物病院へ行くようにしてください。
水の量が増える症状は、重い病気のケースが多いです。
早期発見すれば悪化する前に防げますが、遅いと手遅れになることもあります。
すぐに発見できれば重症化する確率が下がるので、飼い主さんが常に見守ってあげててくださいね!
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